歯周内科について
薬で治す新しい歯周病治療=歯周内科治療の治療方法
歯周内科治療とは?
簡単に言うと、「お口(歯周病)の除菌治療」です。
除菌方法は、モニターを用いた顕微鏡検査によりお口の細菌の種類や数などを検査し、その細菌に合うお薬や歯磨き粉を用いてお口の中をきれいに除菌するので確実です。
歯周病が進行していない場合でも、除菌方法を行うことにより、これからの歯周病が進行しにくくなるため、最適な予防法ともいえます。
歯周内科治療の治療方法
この治療方法には4つの大きなポイントがあります。
【1】位相差顕微鏡による菌の確認
【2】細菌の除去薬剤の内服
【3】カビの除去薬剤あるいはカビとり歯磨き剤での歯磨き
【4】除菌後の歯石とり
特に【1】は、非常に大きなポイントです。位相差顕微鏡でお口の菌を確認しなくてはなりません。
歯周病菌がいるのか、カビが多いのか、あるいは非常にきれいなのか。
位相差顕微鏡で確認しないと、お薬の選択ができないのです。
歯周病菌を見る位相差顕微鏡検査
顕微鏡検査では歯周病菌やカビ菌がほとんどの方に見られます。
下の奥歯の内側の歯垢を少し採取し、それを位相差顕微鏡で観察します。
これが当院で使用している位相差顕微鏡とコンピュータ画面(3,200倍)です。
↑これが、歯周病の原因菌のトレポネーマと、さらにそれを助けているカンジダ菌というカビ菌です。
位相差顕微鏡でお口の中の歯周病菌やカビ菌を確認することができ、お薬の選択ができるのです。さらに位相差顕微鏡の動画像を拡大表示する機能を用いる事でわかりやすい説明を行います。
歯科医療の現場ではインフォームド・コンセントの意味合いから患者さんに自分の口の中の状態を知ってもらおうと位相差顕微鏡による検査が増えています。
お口の中やお腹の中には細菌がいっぱい!と頭では分かっていても、歯周病菌がウゴメク画面を見るとかなりの衝撃です!
歯周病菌がいなくなると、口の中がサラサラになり爽快感があふれ出てきます。
歯周病菌が7日でほぼ絶滅できる治療法です。
歯周内科治療の学問的位置づけ
歯周内科治療は位相差顕微鏡で、お口の中に感染している細菌・真菌・原虫などを特定し、動画管理システムに記録しそれらの微生物に感受性の ある薬剤を選択し、微生物叢を非常に綺麗な状態に改善することで歯周病を内科的に治す治療方法です。
治療前の非常に汚れた微生物叢が治療後 は非常に短期間で綺麗に改善し、術前・術後の状態が一目瞭然に画像で示されるという利点があることが知られています。
また、はっきりと自覚 できる程、歯茎からの出血や排膿が短期間で改善されます。以前は、長時間歯磨きや外科治療によって1~2年の治療期間でそのような綺麗な微 生物叢を獲得していたのです。
微生物叢が改善されたら、歯石を除去します。その場合も、微生物叢が改善されていると、冷たいものがしみるというような症状が非常に少なく なることが知られています。
(なお、前歯においては短期間で歯茎が縮むので歯が伸びたような感覚が生じることがあります。そのような場合には残念ながら通常の治療では 元々骨が溶けている状態ですので改善は難しいようです。その場合は特殊な審美外科を行う必要があるかもしれません。)
私たち会員はこのような画期的効果をもつ歯周内科治療を更に開発し、普及し、教育訓練し、ひいては誰でも治療を受けられるように保険償還上 の位置づけを確立することを目指しています。
歯周内科治療は位相差顕微鏡・動画管理システムを有する施設で実施されます。