犯人は歯周病原菌
歯周病には2つの感染経路があります。
(a)誰もが持っている内因性の細菌に、防御力の低下した時に日和見感染として発症する場合
(b)本来健康な人には存在しない細菌が、人から人へと感染して発症する場合
若年性歯周炎の原因菌とされる アクチノバチルス菌 A.a.(Actinobacillus actinomycetemcomitans)という菌は、思春期の頃両親から感染します。
また、ポルフィロモナスジンジバーリス菌 P.g.(Porphyromonas gingivalis)という菌は、感染するためには最低10数年の接触が必要とされています。
P.g.菌には夫婦間の感染もあることが報告されています。
歯周病そのものは遺伝するものではありませんが、家庭環境や歯周病を進行させやすい素因の存在は無視できません。
家族全体の診査や治療が必要なのは、このような理由によるものです。
症状が重くなる場合の2パターン
■非常に病原性の強い細菌に感染した場合
タバコも吸わず、糖尿病のような全身性疾患もなく、生体の抵抗力も特に低くないのに、歯周炎になる場合があります。
通常の抵抗力を上回る非常に強い細菌に感染した場合です。侵襲性歯周炎(あるいは早期発現型歯周炎)はこれにあたります。
■抵抗力がきわめて低い場合
だれでも持っているような細菌でも、重い歯周炎を引き起こすことがあります。
身体や歯周組織の抵抗力が、他の人より低くなっている場合です。
その原因となるものを危険因子(リスクファクター)といいます。
危険因子には遺伝的危険因子、環境的、後天的危険因子があります。