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【1】位相差顕微鏡での菌の確認
位相差顕微鏡での菌の確認
歯に付着するプラークには、1mgの中に1億個の細菌がいます。
当院では、位相差顕微鏡でプラークを3,200倍に拡大して歯周病の原因菌がお口の中にいるのかどうかを確認し、必要な治療法を行います。
初めて自分のプラークを顕微鏡で見た方は
「イヤー!これ何!?気持ち悪い!!」
とおっしゃる方がほとんどです。
これらのお口の中に定着した常在菌は、300~400種類もいて、活発に活動する姿が鮮やかに見られます。皆さん奇声を発したあとしばし沈黙します。
↓カマタ歯科クリニックで使用している顕微鏡とコンピューター画面(3,200倍)
歯周病の原因菌はトレポネーマという菌です。さらにその菌を助けているのがカンジダ菌というカビ菌です。
お口の中の健康はこのようにして保たれています
皆さんのお口の中は、健康な状態であってもごくわずかな細菌が存在しています。
人体には、もともと細菌の活動に抵抗する力があり、歯肉溝(接合上皮)の部分には、白血球、マクロファージ、リンパ球が移動してきます。そして細菌と戦う準備をします。これが免疫の働きです。
このように人体には防御機構が働いているのです。
当歯科医院では予防歯科にも力を入れております。まず、自分のお口の状態を把握しましょう。
歯科医院へは歯が痛くなる前にメンテナンスとして来ていただきたいと思います。
虫歯も(齲蝕)歯周病も細菌感染症です
虫歯(齲蝕)も歯周病も細菌により起こります。細菌は、歯の表面や、歯肉についたプラーク(歯垢、歯苔)の中にいます。
細菌の活動に対する抵抗力(生体の防御力)は人によって大きな差があり、虫歯(齲蝕)や歯周病になりやすい人と、なりにくい人がいるのは、そのためです。
バイオフィルムについて
ここでは簡単にバイオフィルムについて解説します。
バイオフィルムというのはさまざまな細菌が協力したり、拮抗したりして形成する共同生活体のことをいいます。
細菌はお互いに強固に結びついてキャンプを張って自分たちの生息している場所を形成しているので、簡単には取り除くことはできません。
バイオフィルムを除去するためには専門家の助けが必要になります。 以前はプラークと呼ばれていました。
歯根表面あるいは歯石の表面
※ 山本 浩正著 ペリオのためのバイオテクノロジーより 引用
もっと知りましょう歯周病のこと
犯人は歯周病原菌
歯周病には2つの感染経路があります。
(a)誰もが持っている内因性の細菌に、防御力の低下した時に日和見感染として発症する場合
(b)本来健康な人には存在しない細菌が、人から人へと感染して発症する場合
若年性歯周炎の原因菌とされる アクチノバチルス菌 A.a.(Actinobacillus actinomycetemcomitans)という菌は、思春期の頃両親から感染します。
また、ポルフィロモナスジンジバーリス菌 P.g.(Porphyromonas gingivalis)という菌は、感染するためには最低10数年の接触が必要とされています。
P.g.菌には夫婦間の感染もあることが報告されています。
歯周病そのものは遺伝するものではありませんが、家庭環境や歯周病を進行させやすい素因の存在は無視できません。
家族全体の診査や治療が必要なのは、このような理由によるものです。
症状が重くなる場合の2パターン
■非常に病原性の強い細菌に感染した場合
タバコも吸わず、糖尿病のような全身性疾患もなく、生体の抵抗力も特に低くないのに、歯周炎になる場合があります。
通常の抵抗力を上回る非常に強い細菌に感染した場合です。侵襲性歯周炎(あるいは早期発現型歯周炎)はこれにあたります。
■抵抗力がきわめて低い場合
だれでも持っているような細菌でも、重い歯周炎を引き起こすことがあります。
身体や歯周組織の抵抗力が、他の人より低くなっている場合です。
その原因となるものを危険因子(リスクファクター)といいます。
危険因子には遺伝的危険因子、環境的、後天的危険因子があります。