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今している治療は最適なのでしょうか?
Q 太田 様(仮名) 2016年4月
上の奥歯はぐらぐらで、レントゲンでも骨がないとのことで抜歯を勧められ、その後は奥歯なのでいずれは皆無くなるからとのことで抜歯後は放置するとの説明でした。その下の歯は奥から2番目が欠損のままです。
糖尿病もあり歯周病が進んでいます。現在55歳です。
その治療が最適なのでしょうか?
A 鎌田院長からの回答
太田 様
メールでの御相談ありがとうございます。
医療法人カマタ歯科クリニック 院長 鎌田賢介でございます。
現在55歳で糖尿病もあり歯周病が進んでいるとのことですね。色々と治療では考えなくてはならないことが多いと思います。
申し訳ありませんがその治療が最適なのかどうかは、当方では、レントゲンもなくお口の中の状況も拝見していない状況では判断は出来ません。
もしよろしければ一度当院にお越し頂き、お口の中を保険の範囲内で拝見させて頂けましたら、多少のアドバイスはさせて頂く事は可能だと思います。
約1時間くらいかけてお口の中を拝見し、レントゲンを撮ったりお口の中の写真や模型を採りそのあと15分くらいをかけてお口の中の現状を私が直接お話を致します。また治療法についても選択肢をいくつか提示することも可能かと思われます。もちろん治療をしないという選択肢も含めての話です。ここまでの治療費は保険で約4,000円くらいで出来ます。
もしよろしければご予約の上ご来院下さい。ご連絡お待ちしております。
医療法人カマタ歯科クリニック
院長 鎌田賢介
糖尿病とインスリン抵抗性
糖尿病とは、ブドウ糖が血液中に増加した状態です
通常、ブドウ糖が増えるとインスリンが出てきて合図を送り、ブドウ糖を血中から細胞内に取り込む命令を出します。この命令を受けて、糖の運び役(GLUT4)がブドウ糖を血中から細胞内に運び込んでいるのです。
しかし、2型糖尿病では血中にインスリンが存在していても十分な作用が発現出来ません。これをインスリン抵抗性といい、ブドウ糖の取り組みシステムを邪魔する炎症性たんぱく質(TNF-α)が増えた結果起こります。
(徳島県 徳島県歯科医師会 のパンフレットより引用)
HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)とは
血中ブドウ糖量を表す値(%)で、血中にあるブドウ糖と結合したヘモグロビンの量を測ったものです。HbA1cは現在から過去1~2ヵ月間の平均血糖値を表現しています。
糖尿病のかたではHbA1cを1%低下させることができれば、糖尿病合併症の発生率も大幅に低下するといわれています。
炎症としての歯周病
歯周病とは、歯周ポケットに存在する歯周病細菌の感染に対して、周囲血管が拡張し細菌をやっつける物質や炎症性たんぱく質(TNF-α)を放出するといった生体の炎症反応です。
その結果、目に見えるような歯肉の腫れ・出血、歯周ポケットの出現、歯を支える骨の破壊といった現象が現れます。
(徳島県 徳島県歯科医師会 のパンフレットより引用)
歯周病がそんなに影響するの?-見逃せない理由-
歯周ポケットは、1本ずつの歯の周囲に発生するため、すべての歯に5~6mm程度の歯周ポケットがある場合、細菌と接する面積は自分の手の平と同じくらいになります。
この広い部分で炎症が発生し、ここからTNF-αが放出されていることになります。
2.糖尿病の人は特に要注意!
日本人の糖尿病患者数は600万人を越し、さらに糖尿病予備軍が1500万人いると推測されています。 徳島は糖尿病患者ワースト1!
糖尿病は、食物から摂取された糖質が体内で有効に使われないために、血液中にブドウ糖(血糖)が増加する病気です。
コントロールされていない糖尿病罹患者の場合には、下記のような口腔症状が見られます。
コントロールされていない糖尿病患者の口腔症状
1.傷の治りが遅い
2.唾液の分泌量が減り、口がかわく
唾液の量が少なくなるとプラークや歯石の量が増加し、う蝕や歯周病にかかりやすくなります。
また、投薬を受けていると、副作用で唾液量が減少する場合もあります。
3.口腔粘膜や舌に灼熱感がある
4.歯肉溝(および歯周ポケット)内滲出液中に糖が増加するプラークの形成が促進されます。
左側写真:血液中や歯周ポケット内滲出液の増加によりみられる多発性の歯頸部う蝕
右側写真:糖尿病患者に特有な歯周病の外観
新潟市開業 石井正敏先生より
しかし、良くコントロールされた糖尿病患者では、一般の歯科患者さんの場合と同程度の治療効果が得られます。また、良くコントロールされていれば、う蝕発生率は一般の歯科患者さんより低くなるという研究もあります。